2000年代に入った辺りから企業買収が進み、例えば野菜の販売を行っていた企業が、野菜の生産をしていた企業を買収することで野菜の生産から販売まで自社で全て行ってしまうというような企業も多く見られるようになりました。しかし、あまり大きくなってしまうと管理できないため、会社設立をして特定の事業部門を分裂させているという企業も多く見られます。しかしこれでは買収前とあまり変わらないようになってしまうのではと疑問を持たれるかもしれませんが、買収前とは状況は異なります。分裂して新たに会社設立された企業は、元の企業のグループ企業であるためです。新設された企業は、元の企業の一部だったわけですが、分裂するのに際して元の企業に何も対価を渡していないというわけではありません。元の企業には株式を渡しています。株式を有する元の企業は、新設された企業の株主ということになります。株主とは企業の所有者ですので、元の会社には新設された企業の経営者を任命する権利などがあります。そのため、買収前のように全く関係のない別々の企業同士とはならないのです。新設された企業は元の企業のグループ企業に当るというわけですが、このように株式は企業を支配するための大きな役割を果たしています。企業の各株主の株式の保有割合を見てみると、その企業がどの企業のグループに入っているのかというのが見えてくるかもしれません。

持株会社設立によるグループ企業化

最近では、商品の販売であれば、販売する企業・製造する企業が別々に存在しているのではなく、1つの企業がそのすべてを行ってしまっているということも少なくありません。しかし、すべての事業を一つの企業で行うには多額の資金が必要になります。そのため、資金のあまりない企業は、提携を結んだり、株式を持ち合って関係の深い会社同士になることで対抗しています。ただ、それでは意思決定機関がそれぞれの会社に存在してしまうことになり、話合いがまとまらなければ関係解消という事態にもなってしまいます。そこで持株会社設立によるグループ企業化が行われます。持株会社とは、その名の通り株を持つための会社です。株主はその企業の所有者であり、その企業の経営者を決定する権利などを有しています。そのため、持株会社設立をして、その会社に関係会社の株式を保有させれば、持株会社を中心として関係会社をグループ企業化することができるのです。最近、会社名の下にホールディングスという言葉が付いているのをよく見かけますが、ホールディングとは保有するとか保持するという意味です。つまり、会社名の下にホールディングスという言葉が付いている会社は持株会社のことです。IT革命以降、企業は国内のみならず、全世界の企業と競争しなければならなくなりました。持株会社設立によるグループ企業化は、企業が生き残っていくための有効な手段の一つとなっています。